masters unity クラウドファンディングを通じて⑥
2022.08.16
実施方式から見るクラウドファンディング
目標金額の設定において考慮するものがいくつかあります。クラウドファンディング特有のルールです。
クラウドファンディングを実行する際にはその実施方式を次の2つから選ぶことになります。
All or Nothing
All In
達成して終わった場合はどちらを選んでいても結果は同じですが、達成できなかった時にそれぞれ流れが変わります。
まずAll or Nothingですが、これは読んで字のごとく『全部か、無しか』です。All or Nothingで目標金額を達成できなかった場合はそれまでに集まった支援金がすべて支援者に戻されます。実行者は何も受け取れません。リターンも発生しません。何もない0の状態に戻ります。
一方のAll Inでは目標金額を達成できていなくても、それまでに集まった支援金を受け取ることができます。だったらこちらの方がいいのではないかと思いますが、All Inにはリスクがあります。それは、どんなに支援金が少なくてもプロジェクト内容に書いたことを必ず実行することと、一人でも支援者がいたらその人にリターンを届けなければならないということです。
ではこのふたつの実施方式で見えてくるクラウドファンディングの取り組み方についてです。
All or Nothingは目標金額に1円でも届かなかったらすべて0になるため、達成可能な金額を慎重に決めます。いざクラウドファンディングを始めると、支援の動向を見ながら目標達成に向けて走り続けることになります。最後までどうなるかわからないという緊張感が付きまといますが、それが逆に達成への原動力にもなります。
All Inでは目標金額はAll or Nothingほど気にしなくても構いません。プロジェクトの実行とリターンの発送が必須であるという重圧はありますが、最初からそれらを実行すると決めているのならば問題ありません。しかし『集まったぶんだけでいいや』と目標達成への意気込みが薄れる恐れがあります。
支援者側からの視点ではこんなこともあります。終了間際のクラウドファンディングで目標まであと少しだったとして、それがAll or Nothingであれば『最後の一押しをしてあげようかな』と思ってもらえるかもしれませんが、All Inでは『これだけ集まってるんなら十分だろう』と思われるかもしれません。
All or NothingとAll Inのどちらを選ぶかは実行者の好みにもよりますが、個人的にはAll or Nothingの方が伸びしろがあると考えています。それを裏付けるものとして『ネクストゴール』というシステムがあります。