masters unity クラウドファンディングを通じて⑤
2022.08.14
最も重要なのは目標金額と期間
クラウドファンディングの実行で重要なものは色々ありますが、優先度でいえば『いちど決めたら変更ができないもの』が上位にきます。
それは目標金額と期間です。このふたつはクラウドファンディングの結果に大きな影響を与えるものであり、それでいて開始したあとではもう変更はできません。当たり前の話ですがクラウドファンディングは達成することが大事ですので、達成できる目標金額と期間を見定めて決める必要があります。
クラウドファンディングを始める際には運営側との打ち合わせである程度のアドバイスをしてもらえます。特に目標金額に関しては高すぎる、低すぎるなど、これまでの膨大なプロジェクトに関わってきた立場から現実的な意見をもらえます。
例えばマスターズ・ユニティのクラウドファンディングは、最初の目標金額を500万円に設定していました。しかしそれでは高すぎるというアドバイスを受け、200万円に修正しました。
クラウドファンディングにもある程度相場というものがあり、100万円以下のプロジェクトがかなりの件数を占めます。時折数千万円を越えるようなプロジェクトを見かけますが、それらは特例であって、以前の記事に書いたように知名度や公益性が非常に高いものに限られます。
一般的なプロジェクトであれば100万円程度が標準と言えます。高くても150万円までにおさえることを推奨します。これは実際に500万円の目標を200万円に落としたうえで、それでもかなり大変だった体験を踏まえてのことです。
確かに自分がやりたいことを実行するために必要な予算はあると思いますが、先に書いた通りクラウドファンディングは達成しなければ意味がありません。現実的に達成が可能な金額でなければまず失敗します。
仮に目標金額を500万円から100万円に落としたら5分の1になったように感じるかも知れませんが、これは目標であって実際には何も増えても減ってもいません。それよりも忘れてはいけないのは、目標として決める金額は誰かから『支援』してもらうものだということです。冷静に考えれば100万円を集めるのはとてつもないことです。
自分のプロジェクトにお金を出してもらえるとしたら一人いくらぐらいでしょうか。5,000円であれば100万円までに200人の支援者が必要です。1万円であれば100人の支援者です。これは決して『簡単なこと』とは言えないのではないでしょうか。
高い目標金額は自分を苦しめるだけです。現実的な予測で『これくらいの支援金を集められそうだ』という数字を導き出すことが大切です。
あとから変えられないもののもう一つは期間です。期間は最短でおよそ1週間程度から長ければ数か月まで選べます。自分自身のプロジェクト内容にはどれぐらいの期間が適当かをしっかり考えなければいけません。また目標金額との兼ね合いもあります。少額ならば短期間でもいいですが、高額だとある程度期間が必要です。
それ以外にもクラウドファンディングの特徴として、実行中に支援の集まりやすいタイミングがあります。それは最初のスタートダッシュと最後のラストスパートです。1ヵ月ほどの期間があったとしたら、開始直後の1週間と終了間際の1週間に最も支援が集まります。それ以外の2週間は『中だるみ』の期間となります。この期間は支援が集まりにくいため先が不安になり精神的に疲労がたまりやすくなります。
クラウドファンディングの期間が長くなっても、このスタートダッシュとラストスパートが比例して長くなるわけではありません。これらはあくまでも1週間程度で固定です。期間を3か月と設定すると、中だるみ期間が2か月半できてしまうのでメンタル面でのデメリットが出てくる可能性があります。
目標金額と期間、あくまでも『達成』するためのそれぞれの目安について説明してきました。これらを踏まえてクラウドファンディングの取り組み方に関してはさらに次回で深掘りしていきます。