masters unity クラウドファンディングを通じて⑫
2022.08.28
経営に役立つクラウドファンディング
「事業計画編」
事業計画という言葉は会社経営においてよく聞かれる言葉です。特に業種を選ばずにこの言葉が関わってくるのは、銀行から借り入れを行う際や補助金などの申請をする時です。
事業計画とは「いつまでに・何を・どれだけ・どのように・どうする」という事を明確にし、数値的な根拠でその計画が実現可能であることを示すものです。資金調達において融資や補助金を受け取るためには金融機関や地方公共団体から信用を得る必要があります。
想いだけを一生懸命伝えても現実的でない内容だと受け入れられません。しっかりとした予測と根拠に基づいた計画があれば融資では「返済能力がある」と、補助金などでは「補助金がちゃんと有効に使われる」と見てもらえます。
クラウドファンディングにおいても事業計画は非常に大事です。とはいえ、いかにも「計画書」のようなものを作って誰かに提出しなければならないわけではありません。「いつまでに・何を・どれだけ・どのように・どうする」という内容は実はすでにプロジェクト文に書かれています。つまり、プロジェクト文がクラウドファンディングにおける事業計画書になります。
プロジェクトページのトップにはに必ず「目標金額・現在の支援額・現在の支援者数・残り日数」が表示されています。これらは事業計画における具体的な数値として見ることができます。ただしクラウドファンディングはお金を借りるわけではないので、返済計画は必要ないですし、補助金のようにそのお金でさらなる利益を生み出す計画を立てるものでもありません。融資や補助金が必要とする「根拠」の部分はクラウドファンディングの事業計画では重要とされません。
クラウドファンディングの事業計画の中でもっとも重要なのは「人の心理に訴えかける」ことです。以前の記事にも何度か書きましたが、いかに共感を得られるかが鍵となります。そういう意味では融資や補助金とは真逆で「想いをしっかり伝えること」が優先されます。
このような違いが出るのには理由があります。融資や補助金申請とクラウドファンディングの決定的な違いは、資金の出どころとなる窓口です。一つの窓口からまとまったお金が出されるのと違い、クラウドファンディングは不特定多数の人たちから少しずつ支援を募るものです。そのため、より多くの人から興味を持ってもらい共感を得られることが最優先課題となります。
基本的には「いつまでに・何を・どれだけ・どのように・どうする」の内容にあわせ、目標金額の内訳や支援金の使途について明確にするのが事業計画書ですが、そこからさらに実行者としての信念や熱意の部分までまで掘り下げて提案することがクラウドファンディングの特徴です。